

「科学として経済学」が成立する道には二つあった。一つは、健全な唯物論・経験論に根差したイギリスの古典派経済学、より正確にはリカードの道であり、マルクスの「資本論」や宇野弘蔵の経済学もこの系譜に属する。もう一つは人間の感情・意識を重視するいわゆる主意論・観念論の立場にたつ限界効用学派、より正確にはローザンヌ学派におけるワルラス・パレートの道である。本書は、この二つの経済学がいかに完成したかその成立プロセスと経済学認識の到達点を見ることで、両者の科学的な達成を評価すると同時にその限界を詳らかにしようとするものである。
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