カール・マルクス『資本論』は「第I部 資本の生産過程」「第II部 資本の流通過程」「第III部 資本主義的生産の総過程」の3部からなる。本書は『「資本論」第I部講読のナビゲーション』(2020年、学習の友社)の続編であり、これをもってひとまず『資本論』の全容解明のゴールに到達した。「『資本論』からの引用文は、各篇・各章の理論的骨格をなす文章、述べられているセオリーの要点を?むのに不可欠と思われる文章、ここだけは見逃さずに押さえて欲しいと思われる文章である」「平易でコンパクトな解説書や解説論文からは汲み出しえない、『資本論』の地の文章のみから得られる「資本論の世界」に分け入って欲しい」(「あとがき」より)。
「商品」の解明から始まった「資本論」購読の旅は、第2部、第3部を経て、
ついに、資本主義の全容を明らかにします。「資本論」講義のエッセンスを集大成し、
購読のポイントを押さえた一書。
本編著の発行が危ぶまれる局面で、本編著の意図と内容に理解が示され、手を差し伸べて下さったのが本の泉社代表取締役の新舩海三郎さんである。新舩さんの英断がなければ本編著の刊行は頓挫していたであろう。新舩さんには心から御礼申し上げる。
これまでの十数年間、東京(2008〜16年)と横浜(2009〜)で開講し、私が講師の一翼を担ってきた「資本論講座」の受講者の皆さん、ならびに講座の主催者の皆さん、『「資本論」第I部講読のナビゲーション』をすでに手にされている皆さん、そしてこれから『資本論』の講読という、「平坦ならざる道」に踏み出そうとされている皆さんに本編著を届けることができたことは、私にとって限りなく嬉しいことである。ー「あとがき」より
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