脳外科医でもある著者は母親の介護で苦労した経験から、認知症治療やケアのあり方に疑問をもち、研究を重ねました。
本書は認知症をこじらせる原因を解き明かし、家庭でのケアをわかりやすく解説しています。試行錯誤の末に生み出した治療法によって改善した複数の症例を紹介し、イギリスなど認知症発症率の低下した諸外国の対策も紹介したユニークな啓蒙実用書です。医療・介護関係者にも希望を灯します。
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「認知症をとりまく医療のリアルな状況をお伝えしながら、認知症とはどういう病気なのか、発症しても穏やかな生活を送るにはどうしたらよいのか、最新のトピックスも含めた予防法、また、介護にあたる方はどこにポイントをおいてケアしていけばよいのかについて、分かりやすく述べています。……どうか認知症は治らない病気、認知症と診断されたらもうお手上げだ、などとあきらめないでください。ご家族も難渋するような辛い寿命を延ばすのではなく、その人にふさわしい年のとりかたを支える、のびのびとした養生生活を送っていきましょう」(「はじめに」より)。ベテラン脳神経外科医だった著者は、みずからの母が認知症を患ったときに適切な対処が出来なかったという痛恨の体験を持つ。やがて赴任先の北海道で本格的に認知症治療に関わり、4年間でのべ9918人の診療に関わった。患者と真摯に向かい合った経験をもとに、あるべき治療とケアを語る著者の眼差しはあくまで温かい。
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【帯文】
自らの親に対する苦い経験。時間軸を巻き戻すこともできず、真っ向から認知症に対峙する姿。同じ医師として感銘をうけた。いずれ訪れる老いや、家族の為に、何ができるかを考える手がかりになると思います。岩井武尚(東京医科歯科大学名誉教授/慶友会つくば血管センター長)
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