大艦巨砲に見切りをつけた山本五十六は、日本の航空技術の進展を図り、海軍の航空機を純国産機で一新することを決意する。さらには海軍の空軍化も目論む…。昭和13年11月、鹿島の射爆場である実験が行われた。陸海軍の要人が見守るなか、高度3000メートルから九七式艦攻が、戦艦の防御鋼鈑に見立てた標的に800キロの徹甲弾を投下。航空機による戦艦撃沈の可能性を証明する実験であった。日米関係が緊迫する昭和16年12月、ハルゼー中将率いる第二機動部隊が真珠湾を出港し、西南西に針路を向けた。その先には、クェゼリン環礁に向かう輸送船団を護衛する第一航空戦隊の姿があった…。
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