

認知言語学のアプローチでは、言葉は、主体から独立した自律的な記号系ではなく、世界とダイナミックに相互作用していく主体の一般的認知能力の反映としての開かれた記号系として理解される。本書では、認知言語学のアプローチから、日常言語のメカニズムとその背後に存在する人間の知のメカニズムの一面を考察していく。言葉の探究に際し、認知言語学が注目する一般的認知能力のなかには、焦点化、カテゴリー化、イメージ形成、イメージ・スキーマ形成、スキーマ変換、スキャニング、プロファイル・シフト、等にかかわる認知能力が含まれる。本書では、この種の能力を特徴づける多様な認知プロセスとの関連で、日常言語の多義性、意味変化、照応、省略、メトニミー、話題化、話題の転換、推論、等にかかわる言語現象の体系的な分析を試みる。
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