

著者の中野清作は一九二二年から一九二四年の二年間、文部省の在外研究員として、農政学の研究のため米、英、独、仏へ留学した。その留学中の出来事を日記にしたため、日本に残した身重の妻、房子へと送った。(*仏の記録は残っていない。)関東大震災直後の通信もままならぬ緊迫した状況や身重の妻を気遣う手紙。ハイパーインフレーション下のドイツ。当時の米国、欧州の風俗や女性のファッション。民主主義の兆しがみえ始めた大正時代の日本の女性との比較分析と啓発などさまざまな記述は、当時の様子が窺い知れる貴重な資料である。
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