

電気回路の過渡現象は、電気系のエンジニアがいろいろな場面で遭遇する現象であり、自動制御を学ぶ基礎にもなっているなど、電気、電子系を問わず修得が必要な工学基礎科目の一つである。しかし、微分方程式を解いて電気回路に流れる電流や電圧、エネルギーなどを求める過程が必ずしもやさしくはないこと、またラプラス変換法を利用する方法で過渡現象の式を導出することを学ぶなど学習内容が多く、工学基礎科目の中では比較的難しい科目に属する。微分方程式の解き方にとらわれると数学の勉強のようになって過渡現象そのものを学習するという目的から外れ、逆に解き方を学ばないと本質的な過渡現象やその発生要因を理解できないといった学ぶ側の難しさがある。本書は、著者が金沢工業大学電気電子工学科の2年生を対象にして講義をしてきた4年間の経験をベースにして、過渡現象の基礎をしっかりと習得でき、また自学自習も可能な分かりやすい教科書として執筆したものである。
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