『パッション』『コーラ』とともに「名についての三篇の試論」を構成する本書で、デリダは「否定神学」と呼ばれる論法を語り得ないものについて語る否定的言説としてでなく論法自体の可能性と根拠を再審に付す。ドイツ・バロック期の神秘主義的宗教詩人アンゲルス・シレジウスの代表作『ケルビムのごとき旅人』の否定神学的な美しく難解な詩句を引用しライプニッツやハイデガーの言説を踏まえそこに秘められた論法の根源性と複数性を明るみに出す。デリダ的論理の根幹に触れる臨場感あふれる言説のパフォーマンス。
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