『ドイツとロシア――比較社会経済史の一領域』で1986年の日経経済図書文化賞を受賞した著者のその後の研究『比較史のなかのドイツ農村社会――「ドイツとロシア」再考』をさらに発展させ、著者の理論の根幹をなすハックストハウゼンの貴重な論説の翻訳をふくむ、コンパクトながらも著者独自のドイツ・ロシア研究の最終到達点を明らかにする。大塚久雄、小林昇といった先達への批判的検証もくわえ、論争的視点も同時に提示する渾身の一冊。
目次
I ドイツ農民論
一、(論説)ユストゥス・メーザーの国家株式論について――北西ドイツ農村定住史の理論化――
二、(翻訳)アウグスト・フォン・ハックストハウゼン「ドイツ農民論」
II 独露比較農民史
一、(論説)アウグスト・フォン・ハックストハウゼンの独露村落共同体比較論
二、(翻訳)アウグスト・フォン・ハックストハウゼン「ロシア旅行記」抄
III 比較農民史の射程
一、ゲーテが敬愛した文人政治家メーザー
二、ヘイナル―ミッテラウアー線に照らしてみた日本
三、私はどのように大塚史学を受容したか
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