2002年に通貨統合を完成させたEU(欧州連合)は、2004年5月の拡大で、これまでの15カ国から一挙に10カ国の新たな加盟国を迎える。これら新加盟国は、いずれも人口が多く、所得水準は低く、市場経済の経験は十分とはいえない。今回の拡大により、ヨーロッパに約10兆ドルのGDP、およそ4.5億人の人口を有する巨大なEU経済圏が成立することになる。このようなEUは、ヨーロッパ経済のみならず世界経済にいかなる影響を及ぼすのか。あるいは、こうしたEU統合をもたらせた要因は何なのか。世界経済を席巻しているグローバリゼーションといかなる関係を有するのか。本書は、このように刻々と動きつつあるヨーロッパ経済を様々な角度から分析することによって、今後の世界経済さらには日本経済の行方を占うことを目的としている。
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