

“熱力学の方法を、平衡はもとより非線形性や不安定性をも含むあらゆる現象へ拡張できないであろうか?…新しい「構造」は常に不安定性の結果として出現する。すなわちそれはゆらぎから生じるものである。ふつうはゆらぎが生じると、系をもとの乱れのない状態に戻そうとする動きが続いて起るが、新しい構造が形成される場合には、反対にゆらぎは増幅される。…安定性の理論を不可逆過程の熱力学に結びつけ、ゆらぎの巨視的理論を包含する一般化された熱力学を作り上げなくてはならない。”散逸構造の理論で、1977年、ノーベル化学賞を受賞したプリゴジンの、グランスドルフとの共著による初期の著作。開放系に現れる構造の問題を、非平衡熱力学の立場から、物理学、化学、生物学について、統一的な観点からの説明を試みる。
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