一五世紀朝鮮王朝にハングルは誕生した。人々は朝鮮語を話すのに、知識人たちは漢字・漢文で書く―。名を得るのも、思想を語るのも、法を作るのも、詩を詠むのも、ありとあらゆる知は、母語ではない、漢字・漢文の中にあった。国王・世宗は文字を創製し、若き同志たちがこれを共にした。文字が生まれると、何が起こるのか?人は文字をいかに生きるのか?私たちはハングルを見ることによって、人間の文字の原初を知り、“話されたことば”と“書かれたことば”の豊饒なる流転、そして言語の巨いなる希望を知る。第22回アジア・太平洋賞大賞受賞。
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