徳川家康は武田信玄に三方原の戦いで完敗した際、自画像を描かせ、慢心したときの戒めにしたという。「顰像」として知られる絵だが、近年、それは後世の作り話との説が出されている。それだけでなく、家康に関する研究は急速に進み、これまでの通説が見直されるようになっているのだ。本書は最新の研究動向を交えつつ、桶狭間の戦い、長篠の戦い、伊賀越え、関東移封、関ヶ原合戦など、家康の人生における9つの危機を取り上げ、家康がそれをいかに乗り越えたかに迫る。そこから浮かび上がる、意外かつ新たな家康像とは―。
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