連合国軍による占領を脱した直後の1950年代前半の日本で、真剣に“日本版CIA”をつくろうとした政治家がいた。その名は緒方竹虎。保守自由主義の立場から、戦前・戦時中に朝日新聞社の幹部、そして情報局総裁として情報と国策の問題に苦しみ、戦後は吉田茂内閣のもとで、アメリカと連携しつつ日本のインテリジェンス機関を確立しようと奮闘した人物である。現在、日本でも対外インテリジェンス機関を創設しようという動きが生まれている。わが国の国民性や民意に基づいて運営されるべきインテリジェンス活動の要諦を、緒方竹虎の苦闘を通じて考究する。
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