

建造物の波乱にとんだ運命の物語には、具体的で確実、そしてはっきりと目にすることが可能な要素がくわわっている。ルーヴル宮殿の工事現場の日時計やコンシェルジュリのエロティックな中世の彫刻群、パレ=ロワイヤルにあるルイ16世時代の高層建築物、バスティーユ広場に刻まれた輝かしい、だがいつわりの痕跡、フランス学士院の透明な大時計、オベリスクにみられるブルターニュのヒキガエル、エトワール凱旋門の200個の「貝殻」、オペラ・ガルニエ宮のスライド式のついたて、シャイヨ宮の「間違い」などである。これらのことを知っている人がどれほどいるだろうか。
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