山深い農村が千年に一度の大日照りに襲われた。村人たちは干ばつから逃れるため、村を捨てて出ていく。73歳の「先じい」は、自分の畑に一本だけ芽を出したトウモロコシを守るため、村に残る決意をする。一緒に残ったのは、目のつぶれた一匹の犬「メナシ」。わずかなトウモロコシの粒をめぐり、ネズミとの争奪戦の日々が続く。やがて井戸も枯れ果て、水を求めて赴いた谷間の池では、オオカミの群れとのにらみ合いに…。トウモロコシに実を結ばせるため、先じいが最後に選んだ驚くべき手段とは―第二回魯迅文学賞受賞の傑作中篇。
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