低侵襲心臓手術の基本と実践 始めたいひとも、始めたひとも/日本低侵襲心臓手術学会/宮本伸二/柴田利彦

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編集:日本低侵襲心臓手術学会 責任編集:宮本伸二 責任編集:柴田利彦
出版社:南江堂
発売日:2019年02月
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内容紹介
低侵襲心臓手術(MICS)は2018年4月に保険収載され,スペシャリストによる特別な治療の枠を超えて大きく普及しつつある.本書は,日本低侵襲心臓手術学会が種々のアプローチや手術手技の実際,体外循環法やピットフォールとその対策にいたるまで,MICSを安全に行うために必要な知識を結集.MICSを始めたばかり・これから始めたい心臓手術スタッフ必携の入門書.

【書評】
元号は令和となり、今や低侵襲心臓手術(MICS)は時代の淘汰を受けて新たな発展を遂げようとしている。巻頭にも記載されているが、平成初期の20年前のブームとは異なり、保険診療のうえでも内視鏡補助下弁形成手術という新たな加算が認められるようになり、MICSが患者にとって利益があるということが世間からも広く認められた治療法として確立しつつあるといってよいであろう。

さて、「それならばうちの施設でもMICSを始めてみよう」と思っても、「従来の手術で培ってきた正中切開創からの快適な視野を犠牲にして、安全な手術ができるのか?」という疑問のもとに、躊躇してしまう向きもあるかと思う。本書では、本邦で安全かつ確実なMICSを導入することにすでに成功されている先生方が、自らの経験のもとに培ってきたすべてを、惜しげもなくつまびらかにしてくれている。それは、日本低侵襲心臓手術学会(J-MICS)が主導となり、学会の運営を担う中心となっている先生方が自らペンをとって本書を作り上げているからこそできることである。

MICSを始めるにあたっては、おそらく施設見学などを通して、手術の器械・体位・手順など外科医としての準備事項のほかに、麻酔科医・体外循環技師・手術室看護師らのチームとして準備すべきことを学ぶ必要がある。本書には、あたかもいくつかの施設見学をしたかのような錯覚にも陥りそうなぐらい多くの写真や図が使用されており、それぞれにわかりやすい解説がなされている。

これからMICSを始めようと考えている施設の医師やメディカルスタッフの方々、MICSを始めてみたけれどまだまだ修正をしつつ自分たちのスタイルを確立しようと思っている方々に、ぜひとも本書を手に取って読破してくださることをおすすめする。必ずや背中を押してくれる数多くのポイントを見出すことができると思う。それこそが、MICS手術を行ううえでの自信に繋がることになるであろう。

胸部外科72巻8号(2019年8月号)より転載
評者●自治医科大学附属さいたま医療センター心臓血管外科教授 山口敦司

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。