本書Auditing Theoryは、概念探究を主な研究方法として用いた理論研究であり、監査実務のあるべき姿を追究する規範的研究である。本書で展開される監査理論はつぎのような特徴をもつ。(1)監査(財務諸表監査)を規則(rule)に支配される実践と位置付け、監査理論とは、基準設定者が基準においてどのような規則を公布すべきかの意思決定をする際の助けとなるものである。(2)監査理論が依拠するフレームワークは、国際会計基準審議会(IASB)が策定・公表する財務報告に関する概念フレームワークのモデルを用いる。(3)本書で採用した主たる研究方法は、概念探究(conceptual enquiry)という方法であり、概念は言葉あるいは語句をいう。概念探究には、記述的概念探究、評価的概念探究、規範的概念探究の3つがある。
※本データはこの商品が発売された時点の情報です。