近代の企業会計では、会計公準の一つとして継続企業の公準が措定されている。たとえ存続が危ぶまれる企業であっても、事実として清算の状態に至っていない限り、財務諸表は、継続企業を前提として記録された会計帳簿から誘導的に作成される。そのため、財務諸表の適正性について無限定適正意見が表現された企業でも、意見表明後短期間のうちに倒産することがある。こうした企業存続のリスクや不確実性を巡る問題が「ゴーイング・コンサーン問題」である。本書は、歴史的考察(第1章〜第2章)、理論的考察(第3章〜第7章)、制度分析(第8章〜第12章)から構成され、ゴーイング・コンサーン問題を、財務諸表監査の視点から体系的かつ包括的に考察することを主眼としている。
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