

中国文明の黎明期、古代人の生活空間の外側には、野獣や猛禽・蝮蛇が跳梁跋扈する鬱蒼たる森林・荒漠たる原野=「外なる世界」が広がっていた。そこは善悪さまざまな超自然的存在―悪鬼・鬼神・怪神・怪獣・瑞獣が巣くう、神聖にして恐ろしい空間であった。本書は、「外なる世界」の山川藪沢とそこに棲む超自然的存在について誌した来歴不明の古書『山海経』を手がかりに、古代人が「外なる世界」をいかに恐れ、また活用していたのかを探り、古代中国民俗の一側面を浮かび上がらせる。1986年刊行の名著を新装新組で復刊したもので、現在の研究状況の概説および補論2編を付す。
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