

三世紀末から五世紀半ばにかけて、中国北部では匈奴を始めとする諸民族が移動・定住し、彼らによって建てられた政権が並立する「五胡十六国時代」と呼ばれる大分裂時代を迎えた。従来、この時期は暗黒時代と考えられがちであったが、後の隋唐帝国の制度や文化、東アジア世界の国際関係などは、五胡十六国時代の諸政権にその淵源を求めることができるのである。本書は、諸政権の興亡を詳述するとともに、新たな中国建設への胎動の時代という観点からこの時代に光を当てる。本新訂版では、十年間の研究の進展に基づいて内容を修正し、また墓室画像などをふんだんに用いて、民族融合の様子を再現した。
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