本書の大きな特徴は、流通論として確保すべき不変的な部分は保持しつつも、近年の日本の流通を大きく規定する価格破壊現象、流通の国際化、流通規制緩和、「新たな」零細小売業問題の発生などにも光を当て、これを流通弱者、国民本位の立場から解明し、あわせて、中小流通業業者の生き残り策やあるべき流通政策の姿を求めての具体的提言も行っているところにある。なお、本書は『現代流通の諸相』(2016年)をベースとして書かれているが、「買物弱者問題の検討」、「農山村型および都市型フードデザート問題の比較検討」、「岐路に立つコンビニエンスストアの諸問題」3章分を新たに追記をし、残りの章についても見直しを行った結果、単なる改訂版の域をはるかに超えてしまい、書名も一新して刊行されることになったもの。
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