本書は、著者の台湾松下電器における二五年間の経験を記述したものである。本書は日本企業の海外子会社のすぐれたケースである。現在ではおそらく二万から三万の海外子会社があると思われる。ところが、海外子会社の経営のケース、とくに経営実態をくわしく記述したものは少ない。その点で、本書は貴重である。また、松下電器あるいは松下幸之助をテーマにした書物はすでに多く出版されている。ところが、松下電器の海外経営をとりあげた書物はまだないのではないだろうか。部分的にとりあげた書物や雑誌の記事、あるいは研究論文はあるかもしれないが、松下電器の海外経営をテーマにした書物としては、本書が最初のものと思われる。
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