かつて不平等を批判することは、左翼的で、非現実的な主張とみなされてきた。しかし、現在では、「不平等の拡大は成長と進歩のために必要」としてきた新自由主義的な国の政府やIMFなどの国際機関も、考え方を改めている。不平等の放置は、不正義であるばかりか、経済成長を阻害し、環境問題への取り組みを妨げる「公共悪」として認識されるようになったのだ。しかし、歴史を見れば明らかなように、認識が変わっても、政府はそう簡単には動かない。政府の重い腰を上げさせるには、市民からの突き上げが不可欠なのだ。
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