

今、日本国内では、2018年の韓国大法院の判決以降、植民地期の徴用工や「慰安婦」制度被害者への賠償の問題をめぐって、1965年の日韓請求権協定の文言にのみ問題を矮小化し、「韓国の国際法違反」を批判する言説がまかりとおっている。日韓両政府の対立が深まる中、まるで被害加害関係が逆転したかのような歪な現状に対して、1910年の「韓国併合条約」や、安重根裁判の管轄権の正当性・合法性にかかわる1905年の「保護条約」に著者は着目。国際法を含めた長年の研究により、この「保護条約」が存在しなかったことを明らかにした。本書では、日本社会に広く問題提起すべく、この事実についてわかりやすく解説している。「最悪」とも評される今日の日韓関係の改善のためには、韓国大法院判決が示した日本の朝鮮植民地支配の「不法性」の問題に、日本政府と日本の社会が真摯に向き合うことが不可欠なことを明らかにしている。
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