ブームとしてノストラダムスを読む時代は終わった。これからこそじっくりこの予言者=詩人と向き合わなければならない。とりあえず本国フランスでブームが過ぎ去ったあとのノストラダムス解釈がどれほどのレベルに達しているかは、本書が明快な見取り図を提示しているといえよう。著者のひとり、パリ第一大学で教鞭をとるエルヴェ・ドレヴィヨンは、17世紀フランスにおける占星術に関する研究で学位を取得した歴史学者である。その意味からも、信憑性の高いノストラダムス文献が乏しいわが国において、本書が信頼できるこのうえないノストラダムス入門書になることは疑いない。
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