高校卒業後、立身出世を目指して上京。六本木で不動産会社を起こして成功し、瞬く間に富を手に入れるが、バブル経済崩壊とともに奈落の底に突き落とされることに。資産を損切りし、なんとか自己破産は切り抜けるものの、資産として残ったのは、高齢の大家さんたちを温泉で労おうと大倉文化財団から購入していた箱根の瀟洒な旅館だけ。そこで一念発起、旅館の本格経営に臨むも、そこにもいばらの道が待ち受けていた。板前との確執や温泉地ならではのトラブル…。切羽詰まった挙げ句、みずから料理人になる決断をしたのは四十五歳のこと。包丁を握ったことすらなかった中年男の大挑戦が始まった―。
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