終わりなき思考の運動
バタイユが唱えた「非‐知」とは知の否定ではなく、概念のヴェールを絶えず脱ぎ去っていく、積極的な独自の哲学であった。本書では、思考の運動そのものともいうべき「非‐知」をバタイユ思想の核心に据える。彼の代名詞であった「死とエロティシズム」のヴェールを?ぎ取り、この思想家を哲学史のなかに位置づけ直すことで、バタイユ研究に決定的な哲学的転回をもたらす新鋭の力作。
「本書は二〇世紀のフランスを代表する思想家のひとりであるジョルジュ・バタイユの思想を、思考のエロティシズムという観点から論じるものである。それはバタイユにおける知や思考の問題を、性愛としてのエロティシズムにではなく、哲学的なエロティシズムに、すなわち「知を愛し求める」というエロスの運動に結びつけることで、彼の思想を古代ギリシャから連綿とつづく哲学の営みのうちに位置づけようとする試みである。」(本書より)
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