ひとりで生きるために、己の体すら売ってきた。明日が見えない夜にも、遠くの星に憧れるように高野先生を好きだと思うと頑張ることができた。けれど、心身を重く曇らせる行為とそんな自分を密かに温めてくれる想い、そのどちらも隠そうと嘘を重ね続け―抗えず創は、仕事上のトラブルで憔悴する瀬越先生へ体を差し出していた。本当はとても優しい、今は弱り切ったひとにひどいことをさせて苦しめている、苦しんでほしくない。罪の意識ではち切れそうになった創は同時に、自分は高野先生に触れたい、触れてほしいのだと気づいてしまった。絶え間ない波のように止め処もない事態と感情は、創の痩せっぽちな体には収まらず溢れて…。
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