日本郵政グループは、二〇二一年に郵便事業の創業から一五〇年を迎えた。従業員四〇万人を超える巨大組織は「腐敗の構造」にはまって抜け出せずにいる。近年では、かんぽ生命の不正販売、内部通報制度の機能不全、ゆうちょ銀行の不正引き出しと投信販売不正、NHKへの報道弾圧、総務事務次官からの情報漏洩と癒着など、数多の不祥事が発覚した。一連の事象の底流にあるのは、問題があっても矮小化し、見て見ぬフリをする究極の「事なかれ主義」だ―。スルガ銀行や商工中央金庫による大規模な不正事件など、金融業界の不祥事を追及してきた朝日新聞の記者が、巨大グループの実態にメスを入れる。
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