品川へ向う道中を野暮な身なりだが、どこか貴公子然とした侍が悠々と歩いていた。侍は、懐具合がいいと見て近づいてきた胡散臭い男と女、勘太とお蝶に「頼みたいことがあるから」と江戸への道連れを許すのだった。実はこの侍、浜松藩筆頭家老、津田鶴衛門の嫡子だったが、父親を毒殺され、浪人・今日只今之介(こんにちただいまのすけ)となって江戸へ向っていた。藩主を操り、藩政を牛耳ろうとする家老一味を追い詰めていく今日只今之介の活躍を痛快に描く、堂々920頁の娯楽巨編!
浜松藩筆頭家老、津田鶴衛門は藩主の嫡子・光茂が酒乱のため継嗣に反対したが、光茂派の家老の暗躍により毒殺された。鶴衛門の嫡子の鶴之助は浪人となり、今日只今之介(こんにちただいまのすけ)と名を変え、江戸へ逃れたが、光茂派の腹黒い家老の密命を帯びた凶刃が…。巨匠得意の「お家騒動」ものの傑作!
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