産み月が近い市岡美佐という武家の妻女が慶光寺に駆け込んできた。美佐は夫に女ができたので離縁したいと訴えた。お登勢は美佐が身二つになることを考え、離縁が良い選択にはならないと反対したが、せめて子を産むまで置いてくれと必死に懇願するのだった。美佐の言動に不審を抱いた十四郎とお登勢だったが、調べるうちにこの駆け込みの哀しい真相をつかんで…。深川の寺宿『橘屋』のお登勢と塙十四郎の人情裁きを繊細な筆致で描く、シリーズ第十五弾。特別付録『隅田川御用帳』ゆかりの地図。書下ろし時代小説。
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