上州での百姓仕事が嫌になり、江戸へ出て香具師の見習い、そして検客の内弟子から、北町の定町廻り同心の養嗣子となってお役を襲った神岡茂平。破天荒な道を歩んできた茂平が持ち場にしている板橋宿の長屋で、小間物屋の女房が殺された。下手人探索に走り、聞きこみを始めると、良妻との評判だった。だが亭主は、悪妻だったという。動機も証拠も挙がらず、奉行所は亭主に嫌疑を掛けるが、茂平は何故か違和感を抱いた。そして、女房の身辺を調べ、実家に行くと、意外な事実が…。江戸情緒溢れる人情時代小説。
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