一条理一郎は長崎で蘭学を学んで、1ヶ月前に江戸へ戻ってきた。おりしも江戸では老中水野忠邦が天保の改革を押し進めようとしていたが、その片腕である鳥居耀蔵は、朱子学でこそ改革が成し得ると信じ、蘭学を敵視していた。やがて南町奉行となった耀蔵は、蘭学者達を中心とした尚歯会の主だった者を、偽りの罪状で捕縛する。そして施策をするにあたり、強権を望んでいた彼は、廻船問屋・鳴海屋の乗取りを策していた相模屋から、影町奉行所の存在を知らされる。影町奉行は定法によらず人を裁き、かつ断罪できるという。影町奉行の権力を欲した耀蔵は、執拗にその組織を探索する…。鳥井耀蔵と相模屋に陥れられた蘭学者と鳴海屋の復讐に一条理一郎と影町奉行所の疾風組の刃が閃く。
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