

望まれぬ子として生を享けた美しき少女フサは、十五の春に運命の地へと旅立つ―三部作『岬』『枯木灘』『地の果て至上の時』の前史となる、過酷な運命を力強く奔放に生きた母の物語「鳳仙花」。若死にの宿業を背負う中本一統の荒くれ者達を、路地唯一の産婆オリュウノオバが幻惑的に語る『千年の愉楽』より「半蔵の鳥」「ラプラタ綺譚」。他、虚実のあわいを描いた怪奇譚『熊野集』と神話の源である故郷を活写したルポ『紀州』より五編を収録。作中登場人物系図他、充実の参考資料付。
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