うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の第5回配本、良寛です。
良寛自身が編集した歌集「ふるさと」より良寛自身の配列に即して50首を掲載。
「一首ずつ独立させて読むのではなく、隣接する歌を配慮して読むことによって、ストーリー性を示そうとする良寛の心に迫ることができるのである」(解説より)
あわ雪の中に立ちたる三千大世界(ルビ・みちあふち)又其の中にあわ雪ぞ降る
北越の沙門良寛を包む冷たくしかし暖かい雪は、柔らかくしかし確実に、存在世界とその中に立つ自分との相互溶解的連関を象徴していたのである。----五十嵐一
良寛(りょうかん)
新潟県出雲崎(いずもざき)出身、名主の跡継だったが家を出て、二十代から岡山玉島の曹洞宗円通寺で修行、国仙和尚から印可を受け、諸国を行脚。帰郷後の四十歳以降、弥彦(やひこ)山に近い国上山(くがみやま)中腹の五合庵に居を借りて暮した。漢詩を作り、『万葉集』や『古今集』、また西行に憧れ、平易で自由な表現でその境地をうたい、一部を晩年の家集『ふるさと』にまとめている。「霞たつながき春日を子供らと手まりつきつつこの日暮らしつ」など、子どもたちと遊んだ歌が知られている。
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