脳神経外科 Vol.53No.1(2025-1)

出版社:医学書院
発売日:2025年01月
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内容紹介
脊椎脊髄疾患の手術治療は、日本のみならず国際的にも脳神経外科と整形外科が重複する分野です。それぞれに得意・不得意があり、お互いの診療基盤の利点を生かしながら手術精度・安全性の向上に努めています。脳神経外科診療において脊椎脊髄手術が発展してきた背景には、欧米の脳神経外科医による多大な貢献があります。代表的な例として、腰椎椎間板ヘルニア摘出術のLove法(Love JG、脳神経外科医)、頚椎前方固定術のCloward法(Cloward RB、脳神経外科医)などがあります。さらに、手術顕微鏡導入による手術精度の革新が手術成績向上の原動力になりました。最近では内視鏡手術も一般的となり、さらに外視鏡手術も増えています。その他にも、脊椎脊髄手術領域における技術革新は目覚ましく、脊椎内固定技術、術中画像支援、ナビゲーションあるいは神経モニタリングなど、手術の低侵襲化が進み、安全性は着実に向上しています。本特集では、「脳神経外科診療における脊椎脊髄外科」と題して、頚椎・腰椎の加齢変性疾患、骨粗鬆症性椎体骨折・成人脊柱変形、そして脊椎・脊髄腫瘍・脊髄血管障害に対する手術治療を主要テーマとしました。脊椎脊髄疾患によって痛み・歩行障害が進行すると、日常生活動作(ADL)に悪影響を及ぼすだけでなく、最終的に生活の質(QOL)の悪化、さらには生命リスクに直結する危険があります。超高齢社会の日本においては、脊椎脊髄疾患の克服が健康長寿社会の実現には不可欠だろうと思います。本特集においては、脊椎脊髄手術の経験を有する脳神経外科医だけでなく、経験の少ない脳神経外科医においても有益な情報となるように、各課題に対する手術安全性・低侵襲性・根治性への挑戦と解決策についてまとめました。手術の基本コンセプト・手技だけでなく、手技上の問題点と解決策を含めて実務に直結する内容となるように最大限工夫しました。手術安全性・低侵襲性・根治性の向上は、手術の費用対効果にも好影響を及ぼし、術後ADLだけでなく、QOLの維持・改善につながり、最終的に医療による社会貢献につながるものと確信しています。脳神経外科医による脊椎脊髄手術の最前線を紹介する本特集が、読者の皆さんにとって実践的ガイドとなることを切に願っております。(Editorialより)

※本データはこの商品が発売された時点の情報です。