本書の目的は、前ベニグノ・アキノ政権(2010〜2016年)や現ロドリゴ・ドゥテルテ政権下(2016~2022年)「包摂的な成長」の実現と「高位中所得国入り」をめざしているフィリピンについて、21世紀に入ってから現在までの政治・経済を改めて概観することである。長らく「アジアの病人」と呼ばれてきた同国が、現在享受している好況を背景に自らを「最後の龍」と呼ぶのであれば、それを持続的な成長へと転換することは可能なのだろうか。生産や雇用面、あるいは急速な成長で経済を支える産業の現状を確認するとともに、可能な場合には、それら産業の高度化や、前アキノおよび現ドゥテルテ政権がキーワードとして採用する包摂的成長への課題を提示する。そして、フィリピンについてさらに知る/考えるための「情報(データ)を入手するための情報」を提供する。
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