文学の可能性を切り拓いた男。
推理小説の発明者にして、アメリカ文学最初の黄金期を作り出したポー。マガジニスト(雑誌文学者)として文学を「商品」と捉えた作家は、読者の期待に応えるべく小説の可能性を追求し、ゴシック・SF・ホラーなどジャンルを次々と越境していった。今回取り上げるのは、SFにも通じる海洋冒険小説『アーサー・ゴードン・ピムの冒険』、短編小説のお手本とも言えるゴシック・ロマンス『アッシャー家の崩壊』、天邪鬼(あまのじゃく)が主題となる傑作ホラー『黒猫』、世界初の推理小説『モルグ街の殺人』。19世紀アメリカの社会的背景を踏まえて作品を解説しながら、後世の創作者を絶えず刺激し続ける作家の真髄を読みとく。
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