

人間が人体の内部についての正確な知識を得たのは、一六世紀に西欧で死体解剖が盛んになってからだった。科学的で実証を重んじる現代医学の流れはここに始まる。だがそれ以後も、名医が間違った療法に固執して患者が犠牲になる、麻酔や消毒の先駆者が不遇のうちに精神を病み、あるいは自死する、ノーベル賞の授与対象を誤るなど、医学の歩みは波瀾に富んでいた。ルネッサンスの医師の挑戦的な試みから現代医療の最前線までを、基礎医学、内科学、外科学、精神医学など諸分野を網羅しながら、日本医学界の第一人者がエピソード豊かに描き出す。
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