「西の元政、東の芭蕉」と言われ、芭蕉はもとより、西鶴、季吟、一茶、蕪村から宮沢賢治、姉崎正治に及ぶ錚々たる文人たちに敬慕された江戸初期の大文化人、元政上人。古来、わが国の芸術・文学に多大な影響を与えてきた法華経に、上人は幼少の頃から親しみ、天台三大部を熟読。経典読解に資する膨大な著作をものして、宗門内外の仏教理解を深化させ、広博な学識と教養に裏付けられて漢詩、和歌、紀行文など数々の秀作を遺した。本書は、江戸期第一級の学僧の人物像とその文化史的、宗教史的意義を没後三五〇年の今、忘却の彼方から蘇らせる画期的な労作。
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