

「どうせ父親も知らない私ですから」十七歳の彩美は、うまくいかないことをすべて父親のせいだと思っていた。夢がないのも自信がないのも。退屈な夏休み。突然、彩美は母親からパスポートとエアチケットを渡される。どうやら父親はいま香港にいるらしい。会いたいと望んだことなんて一度もなかったのに。ガッツよ、ガッツ。初めて知る出生の秘密に、へこたれそうになる自分を鼓舞し、彩美は空港へ降り立った―。熱気に溢れる香港の町。力強い響きの広東語。活気に満ちた人々と出会い、少女がたおやかに成長を遂げる青春の物語。
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