今までの后同様、孤独な軟禁生活を覚悟して後宮に入った淡雪。だが新王の鳴矢は、淡雪をお飾りの后としては見ていなかった。そして婚儀から半月、ある事件によって、鳴矢の赤い髪の色が変化する。強い力を持つ次代の王が成人するまでの中継ぎと軽んじられていた鳴矢だが、この変化によって、次代の王に匹敵する力があることがわかり、貴族たちの間に波紋が広がる。一方、鳴矢に惹かれ始めていた淡雪は、諦めたはずの幸せの予感に心を躍らせる。しかし淡雪には天眼天耳の力という秘密があった。誰より、鳴矢にはこの力を知られたくないと願う淡雪だったが…。
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