「黒人」の歴史は奴隷制や植民地の過去と切り離すことができない。カメルーンに生まれ、フランスやアメリカで学んだ著者は、主著となる本書を「世界が黒人になること」と題された「序」から始める。それは奴隷制や植民地が特定の人種に限られたものではないことを、そしてすでに過去のものとなった事態ではないことを意味する。新たな奴隷制や植民地、そして人種差別は形を変えて今も席捲している。それを可能にする構造を理解し、根底から変革する原理はアフリカから到来する何か、「黒人」から到来する何かにある。世界を普遍的に、そして原理的に転換するために。
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