元編集者の猫沢二胡は最愛の夫を喪い、仕事をなくし、閑古鳥の鳴く実家の文具店で店番をしつつ一人暮らしをしている。そんな折、突然甥っ子である大学生の明澄が訪ねてきた。シングルマザーの母の結婚をきっかけに家を出るという。二胡はとっさに同居を提案し、不思議なふたりぐらしが始まった。静かな日々に明澄が加わり、文具店のわけありなお客様たちとの交流もあり、なぜか猫もやってくる。空虚だった二胡の日常はいつしか賑やかになり、ある目標もできて―借りぐらしから居場所が見つかる、あたたかい日常の物語。
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