「中禅寺…秋彦さん、ですよね?」女学生は、思い詰めたように中禅寺に一通の手紙を差し出した。これは恐らく―恋文。それからしばらくして、新聞に飛び込み自殺の記事が載る。自殺した少女の名は、登阪櫻子。恋文の送り主だった。一高では「自殺の原因は中禅寺」という噂がまことしやかに広まり、ついに学長からも事情説明を求められることに。しかし学長との面談後、中禅寺は忽然と姿を消してしまう。関口は頼れる帝王・榎木津と共に中禅寺を追うが―?彼らの友愛の、もう一つの記録。
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