

雪の降る函館旧市街。進学を控えてこの街へやって来た彩は、かつて母が結婚直前に訪れたという紅茶館『くじら亭』の扉を開けた。暖かな店内には、若いマスターの怜二と猫のマシュウ。彩は彼らに、人の心が“香り”でわかる自身の体質と、そのせいで起こった人間関係の諍いを打ち明ける。そんな彼女に、怜二は一杯の紅茶と、先代譲りの言葉を送るのだった。「これは親友の言葉だがね―」やがて彩は『くじら亭』で働き、お客のささやかな悩みに寄り添っていく…。不器用だけれど優しい人々の、居場所を見つける物語。
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