売れない小説家・柚琉が働く『おやつ処みなと』には「死に神」がいる。絶品アイスの作り手なのに極度の辛党の犀川さんだ。母が死んだ日に現れた犀川さんを死に神と呼んだのは、今は亡き祖父だった。あれ以来、死に神を訪ねて“お客”がやってくるようになった。自分の命と引き替えに母を助けたいとすがる女子高生。生き別れになった子どもと死ぬ前に一度でも会いたいと祈る父。人知れず代償を払い、彼ら“お客”の願いを叶える死に神。これは、鎌倉のおやつ処を舞台につないでいく、孤独な死に神の優しい物語。
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