高野山に佇む『春寿堂』は、狐の妖怪・玉藻が営む和菓子屋さん。今日も常連さんや“あやかし”が、事件を携えてやってくる。季節は冬。あやかしが見える体質のせいで春寿堂で働き始めた名月は、雪景色にふさわしい和菓子をしつらえていた。そこへ訪れたのは一匹の子狐。彼の注文はなんと玉藻への弟子入りだった。すると玉藻は一計を案じ、名月と子狐に和菓子の名付け対決を命じる。果たしてその真意や如何に?時にやさしく、時に賑やかに。繋がる“縁”が描き出す、和菓子とあやかしの物語。
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