

「ひとり死」の時代になりつつある今、お葬式やお墓は簡素化が進む。かつて三世代同居が当たり前だった時代には高齢者の介護や看取りは家族の役割だったが、高齢単身者・高齢夫婦世帯が増えるにつれ、外部サービス化が進んでいった。同時に、非婚化、核家族化、家族関係の希薄化などにより、孤立死への恐怖・不安を感じやすい時代に―。本書は、死生学研究者である著者が、自身が実施した「死」に関する意識調査の結果などを分析しながら現代社会の「死」の捉え方を浮き彫りにしていく。大切な人を喪う「二人称の死」と「一人称の死」にある意識のギャップを指摘し、家族がいなくても不安なく死ねる「死の社会化」が必要と訴える。「死が怖い」「死生観を持つにはどうしたらいいか?」と不安を訴える人たちに向け、「一人称の死」との向き合い方を考えていく一助となる一冊。
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